「スポーツのコーチ」と「コーチングのコーチ」は何が違うの?わかりやすく説明して

質問の内容

ペンネーム:アントニオ猪林(50代・主婦)
野球やサッカーなどのスポーツのコーチと、コーチングのコーチを混同されている方の数がものすごく多いです。この違いをわかりやすく説明してくれると嬉しいです。

五十嵐 久コーチからの回答

野球には打撃コーチ、投手コーチ、走塁コーチなどがいますし、サッカーは指導者養成講習のS級やC級といったライセンス制度がありますね。

スポーツのコーチは「教える人」「指導する人」、コーチングのコーチは「気づきを与える人」「相手が自ら考え、行動することを促す人」です。

メンタルコーチはコーチングのコーチと似ているところがありますし、「指導するコーチ」と「コーチングするコーチ」、これは混同されても仕方がないのかなとも思います。

最近はスポーツのコーチでも、従来のように自分の技術を単に教えるというスタンスから、いろいろな質問をして選手に気づかせるというような方法が広まってきています。

私は中学高校時代にテニスをしていますが、よく監督やコーチから「ボールを見ろ」と言われました。

「ボールを見ろ」って言われても…「見てるんだけどな」って…。

その時に「ボールを見ろ」と言うのではなくて、「今飛んできたボールはどういう回転をしていた?」とか、あるいは「今ネットの上何センチぐらいを飛んできた?」という質問を投げかけることによって、必然的にボールを引きつけて打つことができるようになります。
このように質問して選手に気づかせるという方法がスポーツの世界でも広まってきています。

ビジネスの世界でも、多くの経営者は「自分で考えて気づいて行動できるような社員が欲しい」って皆さんおっしゃるんですね。

でも従来のマネジメント教育というのは、どちらかというと、言われたことをきちんとやればいいという形で、考えない社員を育てていたということに気づいていませんでした。

今みたいに変化の激しい時代では、それではやっていけなくなってきているので、自分で考えて行動できるような、そういう主体性を持った社員が必要になってきています。

だからこそこのコーチング的な関わりということが、ビジネスの世界でも注目されるようになったということがあります。

回答していただいたコーチ

五十嵐 久

  • 一般社団法人日本エグゼクティブコーチ協会 会長
  • 株式会社コーチビジネス研究所 代表取締役
  • 中小企業診断士
  • 国際コーチング連盟認定プロフェッショナルコーチ

エグゼクティブコーチとして、独自に開発した『価値観の調和マネジメント』の中小企業の皆様への導入支援と組織開発に取り組んでいます。学生時代に支えて頂いた中小企業の皆様への恩返し・恩送りを胸に、大学卒業以来中小企業支援一筋で取り組んでまいりました。これまで関わった企業数は延べ3,800社になります。”経営者一人一人にコーチを”という社会の実現を目指し、『価値観の調和マネジメント』を通して、『幸せ創造企業』の成長と発展に貢献したいと考えています。