先日、コーチングスクールの受講生の方から聴いた話です。
職場におけるコミュニケーションの行き違いから生産性が落ちたり、もっと良い製品が生まれる可能性があるのに、その芽をつむってしまっていることがあるということです。
ある製品開発を行っている技術系の職場です。
技術者としてのプライドがあるためでしょうか、自分の案が最適だと考え、自らの考えの正当性を主張するばかりで、結果的に声が大きかったりする人の案が採用されてしまうことがあるようです。
相互の意見を組み合わせれば、もっと良い製品を生み出すことができるのに…職場の中でコーディネイターとしての役割を果たしたい。
そして、そのためにコーチングを学びたいと思ったとのことでした。
あなたは100%相手を受け入れることができますか?
コーチングを学ぶ前の私は、100%相手を受け入れることなど、とてもできていなかったように思えます。
組織の中には、自分で勝手に燃えてくれる自燃型、ちょっと火をつけてやれば燃える可燃型、火をつけてもまったく燃えない不燃型の人材がいます。
私も勤めていた当時、この火をつけても全く燃えてくれない不燃型の人を、どのようにしたらやる気になってもらえるだろうか、といつも考えていました。
特に上司として、部下を評価する立場にあったりすると、相手を受け入れる前に、その考えは間違っているなどと思ってしまい、批判的に見てしまうことがあります。
コーチングにおけるコミュニケーションでは、相手をありのままに受け入れることが重要です。
それにはまず、100%相手の味方になることです。
100%相手の味方という立場をとると、何が変わるでしょうか?
100%相手の味方になるということは、相手を絶対に拒否しないということです。
相手からどんなことを伝えられても、拒否せず、いったん受け止めることが重要です。
人は誰かから話を聞くと、聞いたことに対して評価やアドバイスをしようとしたり、相手に議論を仕掛けたくなったりします。
職場における上司と部下の関係でよく見られます。
部下を評価してやろうと考えているときは、自分を軸にして、部下のマイナス点を探していることが多いのではないでしょうか?
上司は100%部下の味方になって、ありのままを受け入れることができなければなりません。
次に重要なのは、相手としっかり向き合うことです。
上司が部下の味方になったつもりでも、部下が上司に受け入れられたと感じられるかどうかは別問題です。
受け入れられたときに感じる、居心地の良さについて考えてみましょう。
「居心地がよい」とはどういうことでしょうか?
それは相手に受け入れてもらい、自分はここにいていいんだと思えること、相手と一緒にいることで安心感がもてることです。
自分が話しているときに、相手が時間を気にしていたら、このまま話続けてよいのだろうかと不安に思うでしょうし、「居心地が悪い」と感じるでしょう。
相手のために時間を取ってしっかり向き合いましょう。
一緒に過ごそうとする、それが伝わってはじめて、相手は自分の気持ちを打ち明けようという気になります。
相手のために時間を割き、相手ときちんと向き合うことが重要です。
1.まずは相手の存在を受け入れましょう
あなたにとって、嫌な人も、いい人もいます。
嫌な人に対しては、「こういう人もいる」と相手の存在を受け入れます。
2.自分との違いを受け入れましょう
人は人です。
相手が自分と違うのは当たり前です。
「違っていていい」と違いを受け入れましょう。
3.欠点・長所を受け入れましょう
相手の悪い所は、「こういう所もある」「こんな時もある」と受け入れます。
相手のいい所は「この人のこういう所がいい」と受け入れましょう。
4.過去の行為を受け入れましょう
相手が過去に行った嫌なことを、つい考えてしまった時には「こういうこともあったが、考えるのはよそう」と心がけ、受け流しましょう。
相手がしてくれたいいことについては、「ありがとう」と感謝しましょう。
このような考え方ができるようになれば、気持ちが楽になります。
人間関係で悩むことも少なくなるでしょう。
相手を受け入れることができるようになると、人間としても一回り大きくなれるのではないでしょうか?