経営者の最も大切な資質は”タフネス”!

先日、「のりかえ便利マップ」を作った株式会社ナビット代表取締役福井泰代さんの講演を聞く機会がありました。

福井社長は、専業主婦時代、自らベビーカーを持って地下鉄出入口で苦労された体験をもとに、「地下鉄乗り換え便利マップ」を発明します。

当初は、毎週末、子供を夫に預け、地下鉄50数駅全駅をすべて自分の足で調べて回ったと言います。

営業も数十社に断られながらも、何度も改良を重ねたりして、受注に結び付けていきました。

現在は、全国5万人以上の主婦のネットワークを構築し、地域特派員として活用、「特売情報」など
各種データベースの販売、市場調査等を行う情報会社に成長させています。

福井社長は、アイデアを商品化するところからスタートしています。

「まだ子供が小さいうちから、発明学会に入会し、発明事業化セミナーなどに参加しました。発明には2種類あります。一つは、発明家としてアイデアを売り、ロイヤリティを受け取る方法です。ロイヤリティは卸値の3〜5%程度が一般的です。もう一つは、自分で作って自分で売るという方法です。リスクが高いがリターンも高い、ハイリスク・ハイリターン型です」。

福井社長が狙ったのは、ロイヤリティ型で、月30万円位の収入を目標に、数々のアイデアを企画し、売り込みました。

「一番最初に開発したのは、左右を間違えない靴です。企画書を作って120社のメーカーにFAXで送りました。結果は採用されませんでしたが、直筆の手紙を頂いたり、粗品が送られてきたりして、意外と反応があるものだと思いました。そして、このことをきっかけに、もっと先願調査をしないとダメだと思いました。先願調査とは、自分のアイデアが過去に特許申請されていないかを調査することです。当時はインターネットも普及していなく、自ら特許庁まで出向き調べました。こうしたことをきっかけに、いくつかの商品が採用されるようになりました。発明が商品化される割合は3%程度です。イヤだと思ったら、そこにビジネスチャンスがあると思え!これは発明家にとって、とても大事な言葉です。朝起きてから寝るまでの間に起こることの中から、イヤだな、面倒くさいな、と思えることをすべてメモしていきます。そして、自分だったらどうするかを考えて、作ってみて、使ってみます。ビジネスでも同じです。うまくいかないことがあったらどうするか、をいつも考えていることが大切です」。

「ある時、売り込みに行った会社の人の話を聴いて、情報を膨らませていくことが大切だということに気が付きました。発明家は、今日は下駄を考え、明日はバケツを考えるといった感じでアイデアを売っていきますが、起業家は木を林に森にしていく力が必要だということを教わりました。自分の会社を林や森にしていくにはどうしたら良いかを考えました。これからはマンナビの時代が来るということを教わり、コンテンツを収集する会社になろうと決意しました。そしたら1年後に携帯が普及し、今ではITベンチャーへ様変わりすることができました」とおっしゃっていました。

また、これから起業する人へのアドバイスとして、次の3つをあげておられました。

  1. 起業する前に死ぬほど勉強しなさい。知らないことは悪、情報を探し当てる力が必要です
  2. ほんのちょっと130%位の力を出せば達成できる目標を立てましょう。一つずつクリアして力をつけていくことです
  3. 社長の最も大事な資質とは”タフネス”です

福井社長の話をお聞きして、”諦めない”ということが大事だということを改めて強く感じさせられました。